雛人形を子供に用意する場合には、できるだけ豪華なものをと考える人も少なくありません。
そしてその際には、お内裏様とお雛様のほかに様々な人形が並ぶ段飾りが豪華であると考えている人も多いものです。
確かに段飾りには様々な人形があり、非常に雰囲気を盛り上げてくれると言うイメージがあるので、これを好むと言う人も多いものですが、豪華なものと言うだけで段飾りを選ぶのは決して良いものではありません。
しきたりを重んじ、さらにその豪華さを追求するのであれば、お内裏様とお雛様だけのいわゆる親王飾りを選ぶことも1つの方法となっています。
親王飾りとは
親王飾りは段飾りを簡略したものと捉える人も多いのですが、平安時代に日本にひな祭りのしきたりが始まった頃は、雛人形はお内裏様とお雛様だけのいわゆる振動飾りが基本でした。
当時その他に様々な人形を飾っていたかどうかは明確ではありませんが、基本的には男女1対の飾りに様々な調度品を加えたのが当時の飾り付けの主流となっていました。
そのため、豪華な飾り付けをする場合にはそれぞれの着物を良い材質のものにしたり、調度品を高級なものにすることでその権威を示したものとなっています。
また当時の雛人形には、厄除けと言う意味もありました。
古くから3月初めには、現在の3月3日に当たる巳の日があり、この際には小さな子供の側に紙雛などの人形を置いて厄除けをすると言うしきたりがあったのですが、これに対して当時貴族の女性の間で流行していた、男女1対の人形を飾って遊んだ「ひいな」と言う遊びが結びつき、ひな祭りと言う行事が盛んになっていった経緯があります。
そのためもともとのひな祭りは男女1対の人形を飾って祝うものとなっており、いわゆる親王飾りが基本となっていたのです。
段飾りが流行し始めたのは江戸時代の後期になってから
段飾りが流行し始めたのは江戸時代の後期になってからで、これは当時の政治の中心が天皇から歩下に移っていったことと大きな関係があります。
もともとは貴族の遊びであったひな祭りが、庶民に浸透していくにつれその庶民はできるだけ人形の数を増やし見た目に豪華にすることを思い立ちました。
また当時の殿様が家来を多数連れていることにも影響し、象徴であるお内裏様とお雛様がその付き人を連れていないはずがないと言う発想のもとで、様々な人形が加えられるようになっていったと考えられています。
そのためその段数は様々なものがあり、現在でも様々なものが存在しているものとなっているのです。
近年では日本の住宅事情もあり、なかなか大きな段飾りを置くことができないと言うケースも少なくありません。
そのため、親王飾りでコンパクトにまとめようとすると、引け目を感じる人も少なくありませんが、実際には本来の雛人形はこの形から始まっているので、引け目を感じる必要は無いものです。
むしろ、古来のひな人形の飾り方をしていると考えられるものでもあるため、自信を持って飾ることが大切です。
男女1対の親王飾りでありながらその価格は段飾りを超えるものも多い
さらに段飾りでないと豪華ではないと言う人もいますが、実際にはそのような事はありません。
平安時代には親王飾りが主流であった中で、それぞれの人形に豪華な着物を着せその栄華を競ったと言う話もあります。
現在販売されているものでも、男女1対の親王飾りでありながらその価格は段飾りを超えるものも非常に多くなっています。
また周囲の様々な調度品にも高級なものが使用されていることが多く、その雰囲気を盛り上げているものが多いのが特徴です。
雛人形のモデルは天皇と皇后をモチーフにしていると考えられており、女の子に天皇と皇后のような幸せな結婚をしてほしいと言う願いが込められているものとなっています。
そのイメージから、親王飾りには天皇や皇后が着用する着物を使用していることも少なくありません。
高級な西陣織金襴や唐織のほか、さらに高級なものでは天皇のみが着ることを許される麴塵などが使用されているものもあります。
このような人形を飾ることで、その姿に憧れより幸せな結婚を願う気持ちが強くなると言う意味もあるため、親王飾りを好むと言う人も多くなっているのが実態です。
雛人形は女の子の成長や幸せな結婚を願う思いが現れたものとなっており、特に現代では古くからのしきたりにこだわらずに自由にその思いを表現すると言うケースも多くなっています。
そのため豪華な男飾りではなく、シンプルで質の良い親王飾りを選ぶことも少なくありません。
まとめ
さらに段飾りの場合には非常に大げさなものとなってしまい、なかなか飾るきっかけが難しいと言う面もありますが、親王飾りの場合には収納が簡単でしかも場所をとらないため、空間を効果的に利用しながら飾ることができると言う合理的な面もあります。
そのため、本来は神の語りがその由来であったことや、考え方次第で非常に豪華なものを選ぶと言うことが出来るのも、その大きな魅力となっています。
現代風にひな祭りを楽しみながら、古来のしきたりを守ると言う意味でも、親王飾りは非常に良い選択肢となっているのが特徴です。
参考リンク
雛人形通販