ユニセフという国際機関をご存知でしょうか。
正式名称は世界国際基金助成協会といい、1940年にアメリカ合衆国のニューヨークで誕生しましした。
2020年8月時点で世界160か国が加盟している世界最大の機関であり、主にアフリカ・中東といった発展途上国内の紛争地・貧困地の支援に当たられています。
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日本にUNICEF東京事務所が誕生したのは1960年
加盟国のすべてに支所があり、日本にもUNICEF東京事務所があります。
日本にUNICEF東京事務所が誕生したのは1960年で、それ以前はユニセフに加盟をしていませんでした。
1940年にニューヨークでユニセフが設立された時、日本は国連から脱退したので必然的にユニセフにも加盟をしなかったというわけです。
その後1945年の第二次世界大戦が終結したあとは、日本国内では全国規模で貧困・伝染病が蔓延するに至りました。
国内を統治したGHQの指示により、ユニセフか派遣されて12歳以下の子どもには小学校を通して脱脂粉乳とクジラの肝油ドロップを支給しました。
大人に対しては食べ物を配給して、ユニセフが戦後の日本の支援にあたった歴史があります。
計20か国が日本の復興を支えることになり、1955年吉田内閣の時代に再び国際社会の仲間入りを果たすために国連の加盟をおこないました。
これと同時にユニセフへの加盟も表明され、1960年8月に東京都千代田区にUNICEF東京事務所が誕生するに至りました。
現在のUNICEF東京事務所の主な業務
現在のUNICEF東京事務所の主な業務は、年4回実施される募金の管理とJICA(青年海外協力隊)と合同でおこなっている途上国支援の事務作業です。
JICAとの協力事業は国際社会からも賞賛されており、教育・土木作業・井戸の採掘など多岐にわたっています。
特にアフリカのケニアとはこの事業を通して友好関係を築いており、今ではケニア政府からも資金援助を受けるまでになりました。
UNICEF東京事務所では若手の協力隊員の育成にも力を入れられていて、PRに人気アイドルを起用しています。
この成果は毎年約100名の新たな隊員入隊にもあらわれていて、若い方々の間でユニセフの事業を広める結果となっています。
2018年からは「マンスリーサポート制度」という東京事務所独自に支援もスタートしました。
このマンスリーサポートとは、月額3,000円からアフリカ・中東・東南アジアの貧困国をサポートする支援事業のことを指します。
マンスリーサポートの場合は個人に対してサポートが行える
一般的な募金の場合は国単位での支援となるところですが、マンスリーサポートの場合は個人に対してサポートがおこなえるという違いがあります。
先述した貧困国で暮らす子供を対象にした支援であり、毎月3,000円から資金援助をして学校に通わせたり食事の資金を提供するというものです。
もともとはイギリスの事務所から始められたものでしたが、イギリスの場合は途上国の子どもを会員が養子に迎え入れるという、若干ハードルが高いものでした。
日本では今も養子を迎え入れるという文化が根付いていないため、金銭面の援助という形にスタイルを変えています。
2018年4月にスタートしたマンスリーサポートファミリーの数は、現在では約6万人にものぼります。
毎年約10億円の援助がなされており、主にシリア・アフガニスタン・ザンビアといった貧困国の子ども達の命を救う結果を得ているほどです。
子供が育っていく過程をしっかりと見届けられる
マンスリーサポートファミリーになった際、必ず支援をおこなっている子供の名前と顔写真を東京事務所から届けられます。
イギリスのような正式な養子縁組ではありませんが、子供が育っていく過程をしっかりと見届けられるという特徴があります。
さらに毎年8月になると、UNICEF東京事務所が企画する現地を訪れる旅に参加して実際に支援をなさっている子供と対面できる特典もあるほどです。
この際の旅費は1人約50万円ですが、すべてユニセフに寄付をする形なので慈善事業の一環と受け止められることでしょう。
年間約40組もの人々が実際にアフリカ・中東へと赴かれており、日本人の慈善活動の意識の高さを再認識できます。
東京事務所ではさらにマンスリーサポートファミリーを募っており、今後はコロナ禍で貧困化が進んでいるブラジル・ペルー・コロンビアの支援にも当たられることを表明されました。
一般人だけでなく著名な政治家や芸能人もユニセフの活動に賛同されており、この組織によって我々人間の尊厳と平等を保たれていると言っても過言ではありません。
まとめ
国際機関としては国連の次に古い歴史を持ち、当初はわずか4か国でスタートした組織です。
それが現代では100を超える国々が参加をしており、国籍・言語が違う人々の支援に力をいれています。
日本の歴史の中でもっとも衰退していた戦後の時代、子ども達から大人の命までも救ったユニセフは今後も多くの人の命を救うことでしょう。
日本は今では先進国でユニセフ内でも常任理事国になっており、中枢を担っている存在です。
参考>>日本ユニセフ 口コミ