【最新版】出版社の動向について

「出版社に就職したい」
「出版社の仕事内容が知りたい」
「出版業界は今後どうなるか興味がある」

出版社とは、本とか雑誌などの出版物の企画や製作をする会社を指します。
ただ、製作とは言っても実際にその本や雑誌を書く人は、社内にいることもありますが多くはフリーランスであり、その会社には所属していません。
つまり、作者や著者とは別の存在で、どのような出版物を作るかを考えたり、著者が書いた文章を編集したり確認したりしながら、最終的に本や雑誌などの形にすることが仕事になります。

出版社の仕事

このように考えると、出版社の仕事で大きなものは、作者が書いた原稿などのチェックや校正となります。
雑誌などではよくあることですが、初回の原稿として書かれたものとか撮影された写真、イラストなどの全てが最終的に用いられるわけではありません。
その回に相応しいものだけが選択されて掲載されることになります。
このような仕事をするのが編集者ということになり、その回に採用されなかった内容はそのまま没になることもありますし次回以降のために残されることもあります。
雑誌では極めて一般的な仕事ですが、小説などの場合はあまり該当しません。
このような書籍では基本的には作者が書いた原稿がそのまま本となるわけで、別の人が編集したりするようなことは一般的ではないからです。

校正も重要な仕事の一つ

編集と似たような感じがするかもしれませんが、校正も重要な仕事の一つです。
これは書かれた原稿そのものをしっかりとチェックし、誤字や脱字がないか、事実と異なることが書かれていないかなどを確認することです。
これは出版物の品質に直結しますので細かいですが非常に重要な仕事で、日本語で書かれた文章であれば普通の日本人であれば誰でもできそうに思えるかもしれませんが、決してそうではありません。
未経験者が手を出して良いような仕事ではなく、十分な経験が求められる難しい仕事です。
この意味では、正確で細かい知識とかが必ずしも必要ではなく、自分の感性とか世の中のニーズや時流を捉えることがポイントになる編集者のほうが、多くの人に門戸が開かれているとさえ言えるかもしれません。

参考校正と校閲の違いとは? 2分でわかる用語解説

営業担当者も必要

出版社も会社であって、売上げを得ないと立ち行きません。
そのためには営業担当者も必要で、これは書店や本屋にアピールして自分たちが出版した本を置いてもらうとか、一般の人にどのようにして本の魅力を訴えるかのサポートをしたりすることもあります。
あるいは、書店とか本屋からの情報を得ることで、最近はどのような本が売れているのか、どんな出版物が求められているのかを社内にフィードバックする役目を求められることもあるかもしれません。
また、出版物のジャンルにもよりますが、営業担当者の訪問先は必ずしも書店などだけではありません。
確かに本が売れることは売上げに大きく寄与しますが、会社の収入はそれだけではないからです。
雑誌を手に取ると、広告が多く掲載されていることが分かるでしょう。
中には記事と区別しにくいものもあるかもしれませんが、広告の全くない雑誌というのはちょっと考えにくいです。
様々な商品やサービスで、広告宣伝は重要であり、多くの人が手に取るであろう雑誌は非常に良い媒体と考えられています。
テイストに合った会社の広告であればより宣伝効果も高くなります。
このような広告掲載案件を得てくることも営業担当者の大きな仕事になっています。

従業員数が10名とかそれ以下くらいの零細企業が多い

出版社も会社ですから、これ以外にも経理とか人事、総務的な仕事をしている人はいますが、この会社に特徴的な仕事と言えば上に挙げたような職種となります。
誰でも名前を知っているような大規模な会社、どんな人の本棚にもそこが出版した本や雑誌の1冊や2冊は必ずあると思われる有名な会社もありますが、従業員数が10名とかそれ以下くらいの零細企業が多いことも特徴と一つとなっています。
世の中の流れとして、コンピューター化やデジタル化が進んでいることは無視できません。
本や雑誌から得られる知識とか情報、あるいは単に読んでいて楽しいという娯楽の要素は、30年前には他では全く代替が利かなかったようなものかもしれませんが、今ではインターネットで得られるものも沢山あります。
そのため出版社の売上げ全体は低下傾向にあり、1990年代半ばをピークとして今では半減しているとさえ言われており、厳しい現実があることは事実です。

まとめ

ですが、いくらインターネットやパソコン、スマートホンが普及し、液晶ディスプレイが広まったところで、紙の書籍の価値がゼロになってしまうとはまだ思えません。
音楽も、ネット配信が普及していてもまだレコードが完全消滅してはいないのと同じようなものかもしれないわけです。
また、たとえデジタル化が今後さらに進んだとしても、出版社自体がそのデジタル化に対応することも当然可能です。
実際、昔からあるような会社であっても、デジタルメディアに進出しているところも存在しています。
スマートホンやタブレットで、電子書籍を読んだことのある人もおそらく多いでしょう。